体系的な英文法を習っていない小学校の時こそ、英語→日本語の翻訳的アプローチからの英語指導ではなく、日本語を介さず英語を英語のまま理解できるようにする訓練ができる貴重な期間です。LEGLABOの小学部で実践している多読指導教材のメインは今のところ英語の絵本や漫画がメインとなっています。子供たちは、英文や音声を読んだり聞いたりしながら常にその上にある絵や写真との関連付けをする訓練をさせられます。これにより、はっきりとした日本語に翻訳できなくてもなんとなくこういうことを言っているのだなという概要を理解する力がついてきます。こういう力が小学校時代についている生徒は、体系だった英文法の知識が少なくても、普通の生徒の数倍早く英文を読み、理解することができます。
フォニックスとは簡単に言うと「英語の文字と音のルール」のことで、このルールをマスターすると初見の英文でもある程度スムーズに音読することができるようになり、一方、リスニングで初めて耳にする単語のスペルもある程度予測ができるようになります。発音に自信が持てるようになると、英語を話す際の心理的障壁はかなり低くなります
。また、子音に意識が向くことで、日本人特有の平坦な発音ではなく、強弱のはっきりした発音ができるようになります。フォニックスは指導者がしっかりと意識を持って実践させると、最初はアルファベットも読めなかった小学校高学年の生徒でも、普通の日本人とは明らかに違う発音で英語が読めるようになります。
中学部とは異なり、LEGLABOの小学部では一般的な受験英語指導や、中学に進学後に学習するような英文法解説型の安易な先取り授業は行いません。中学部では必要に応じて理論(=頭)で説明する英文法も、小学生の間は、音読・発声によるアウトプットをより重視して、身体で覚えるように誘導します。このレベルにおける英語学習はスポーツや楽器の演奏と似たところがあり、難しい知識の詰め込みよりも、身体活動を伴う基本的知識を使った反復練習が有効です。また、カリキュラムの機械的な消化を急ぐあまり起こり得る、児童の消化不良や英語嫌いになることを防止します。