LEGLABO 講師ブログ
以前、大手で受験英語指導をしていた時にはあまりさほど意識していなかったことの一つに疑問詞Whatの指導があります。なにげに奥が深いな・・・と。
基本的にはたいていどの進学塾でも、中学1年生にアルファベットを教えたあと、軽く単語を教えると、I am〜、You are〜、This is〜といったbe動詞の指導に入るかと思うのですが、その場合、次に指導するのがこのWhat is this?の文章となります。
この単元自体そんなに難しいものでもなく、またかつての中1生の中にも、このWhat is this?でそこまで苦しむような生徒も皆無であったため、今まであえて意識したことはなかったのですが、体系だった英文法を知らない小学生にこのwhatを使った英文を音声ベースで指導する際に色々と「へぇ〜」と思うことが出てくるわけです。
「君、何してんの?」と聞きたい場合、
"What are you doing?"であったり、
「彼は何を着ていますか?」と聞きたい場合、
"What's he wearing?"とさらりと出てくるわけですが
「あの子たちは何をしていたの?」と聞きたい場合、
"What was they doing?" と返ってくることがしばしばあるわけです。
この場合、「うん?」という顔をすると、自らWhat were they doing?と修正できるわけですが、見ているとその後も結構な頻度でWhat was they〜としてしまうことがあるわけです。
基本的に小学生には文法用語を使った指導はしないので、「theyは確かに3人称なんだけど複数なので、wasではなくwereにしないといけないよ」といった意味不明な説明など通用するはずもなく、結局生徒も発音した際の音の語感で判断しているのでしょうが、少し難しいのは"What was"自体の語順は何も間違っているわけではなく、このwasの後にtheyが来るから、間違いになってしまうという点なのですよね…。
恐らく、生徒達の思考回路でいうと、何かを尋ねるときに
What is とか What was
というのが、一つの定型的な「語呂」になってるのではないかと思われるわけです(これの非常に典型的な例が、不定詞を習った直後の中2生に見られるwantの使い方で、何でもかんでも「want to」とやっちゃうので、I want you to go to university.の語順が理解できないとか、単にリンゴが欲しいという場合でもI want to an apple.とやっちゃうあれですね)。
つまり What is… とか What was… と一気に発話してしまった後に、初めて「誰が?」という主語の部分に意識が行くのかな、と。
これの防止策としては、ひとまずWhatで一旦気持ちを止めさせて、その後に「誰が?」に意識を向けさせて、is she doingとかwere they eatingという風に主語+動作の部分を一気に言わせる方が良いものなのか?色々と試行錯誤は続くわけです。