LEGLABO 講師ブログ
国公立大志望の高校生の英作文を添削していると色々なものが見えてきます。
彼らは基本的に赤本の模範解答と自身の解答を見比べてその差に愕然とするようですが、まぁ、現役生でこの時期に赤本の模範解答レベルの英作ができる生徒はそもそも英語で塾に通う必要など全くないわけで、そういう意味では、赤本や各社出版している模範解答なるものを忠実に再現できる力をつける必要性は全くないと「個人的には」思っております(受験生は英語だけやってりゃいいという暇な人たちじゃありませんからね)。まぁ、これは英検やTOFEL、IELTSにおけるWritingの模範解答にもあてはまることでしょうが…。
とりわけ国公立大で出題されるような「こなれた日本語」を英作する場合、いかにその文脈や言わんとするところのニュアンスを失うことなく、それでいて且つ、自分の土俵で英作することに持ち込めるかどうかが合格答案のキーになると思っています。
こういう話を、高校受験を控えた中3生にすると、今度は極端に簡単な(=稚拙な)文章で英作を逃げ切ろうとする者も出てくるのですが、まあ流石にこれは大学受験ではアウトでしょう。
そういう意味では、まだ時間のある高校生はやはりアウトプットできる語彙(=運用語彙)を増やしていくことが着実な道だと思いますが、一方でもうあまり時間のない受験生は、別の表現への言い換えはもちろんのこと、ほぼ今までの人生で、英作において使ったことのない名詞を使用することを避け、極力動詞を使って表現できないかなどの模索をさせる訓練が必要です。
個人的に「英作指導=添削指導」という安易な考え方には少し距離を置いており、むしろ、限られた時間でどういう風に答案を自分の土俵で書けるかを模索をさせる実地訓練の方が意味があるのではないかと思う今日このごろであります。
因みに今まで教え子で京大に受かった子たちによく尋ねてきた質問に、「京大の英作どうやった?」というものがあるのですが、面白いことに彼らに共通する回答とは「京大の英作は自分の使えるフレーズで逃げ切れるので、それに気づいてからはむしろラクでした」というもので、なかなか示唆的な回答ですよね…(^^)。