先日高校生のとあるクラスでのこと。
ザリィズ イーズィトゥ ンダァストゥンダッ セッ ザダァラァ
という英文が流れた時に、
「先生、これ僕の知っている単語ありましたか?」とある生徒に聞かれたので「全部中1で習う単語やで」と答えると完全フリーズしている場面がありました。
実際、その時、教室の後方で宿題をしていた中 2の後輩君は私のその発言に対して、そうやなと首をタテに振っていたので、その高校生は更にフリーズしてしまったわけですが…(^_^;)
いわゆる一昔前の日本の英語教育で英語を勉強してきた大人だと、こういう状況は「あるある体験」だと思うのですが、最近は我々の頃と比べて、学校でもかなり音声からのアプローチを取り入れた英語指導になってきているため、意外と音で聞く分には理解できるという生徒がかなり増えては来ているのですが、それでも英語に苦手意識を持つ生徒の場合はこのようなケースがまだ多くあるのだろうなと思われるわけです。
いずれにせよ、このレベルからリスニング力を鍛えていこうとするとなかなかハードな試練が待っているわけです…。
結局のところ、この生徒からすると、上記の英文を100回聞いたところで意味不明なわけで、ここに聞き流しの限界があるわけです。
一方で、いわゆる帰国子女たちが、現地校でこういう意味のわからない音の洪水を聞きながらも少しずつその意味することがわかっていくのは、色々な意味でのコンテクスト(=文脈)がふんだんにあるからです。それは先生の声のトーンや動作であったりとか、友達の表情、クラスの雰囲気など、状況判断のできる材料ですね。
こういったコンテクストがなく、ただ音だけで英語を勉強しようとすると、こういう場合は完全にお手上げです。シャワーのように英語を浴びろというのは言うは易しなのですが、実行する際にはいろいろな点に気をつけないといけないということが分かる1つの良い例だと思われるわけです。