LEGLABO 講師ブログ

そのつづき

前回のブログはやたら前説が長い割に最後は私の嘆きだけで終わってしまったのでちょっと補足を…

何度もこのブログでも書いてきていますが、私は基本的には多読指導においては

「簡単なもの、易しいものをたくさん」

という姿勢でやっています。

でも生徒たちもそうですが、保護者の方の中にも簡単なのばかり読んでいてホンマに大丈夫なのか?という疑問は当然あると思います。
 
で時折口頭でそういう質問を受ける場合には、その都度熱弁しているのですが、また多分このブログでも何度か書いたような気もするのですが、もう一度お伝えしておくと多読用の絵本には2種類ありまして
 
グレーディッドリーダーズ(GR)

と呼ばれるものと

レベルドリーダーズ(LR)

と呼ばれるものです。
 
ざっくり大きな違いを言っておくと、この2つはその想定している読者が違うわけです。

GRは親御さんの世代でももしかしたら学校の図書館にあったような少し薄っぺら目の洋書で、例えばペンギンリーダーズなんかは有名どころなので「ああ」と思い出されるかもしれませんが、要はそれを読む読者としては我々日本人みたいなノンネイティブを想定して作られているわけです。

一方LRの読者はズバリ、英語を母語とするネイティブの子供たちです。
 
ノンネイティブを読者として想定しているGRの場合、当たり前ですが単語や文法なんかも読者のレベルに合わせて調整をしてくれるわけで、ここが良い意味でも悪い意味でもLRとの一番の違いです。
 
これはもしかしたら好みの問題なのかもしれませんし、以前多読のワークショップに行った時に、ある大学の先生は大学生に読ませる多読教本にはGRの方が良いとおっしゃっていまして、その説にはなるほどなぁとも思ったのですが、ただ私は正直GRがあまり魅力的に思えなくて(^^;)…(あ、でもうちにもGR、置いてますよ!)

要は表現の幅が抑えられたところで話を作っているわけなので、ストーリー自体が面白みのあるものでなければ読むのがちょっときついなぁという感じがします。似たような表現の繰り返しだったり、同じ単語の使いまわしであったりとか…

一方でLRの方はネイティブの児童を対象に書かれているものなので、やはりリアルで生の英語が満載なわけです(英語学習をしているノンネイティブへの忖度など一切ナシ!)。

このリアルで豊かな生の英語で平易な内容について書かれたものにはどんどん触れさせたほうが良いと私なぞは思うわけです。

ただ、何度も言いますが「簡単」というのは使われている英語が簡単というのではないのです。内容が簡単なのです。LRでは一番レベルの下(読むネイティブ児童の年齢が一番下)のものでも多分普通に大学受験する高校生も知らんやろなという単語がバンバン出てきます。でもその単語を向こうでは幼児レベルの子たちが知っているわけですよ?(一方で、日本の受験生が単語帳で覚えたような抽象度の高い単語なんて、向こうの小学生は知らなかったりするわけです。嗚呼このい・び・つさ!)あと基本動詞の使い方なんかも我々が見てても非常に勉強になるフレーズがたくさん登場するわけです。
 
ただこういうものも読む語数が少ないとあまりモノにならないわけです。浴びるようにたくさん読むからこそ、その英語のシャワーで少しずつ読者の頭に入っていくわけです。
 
特に日本語に直訳しにくい表現なんかも対象年齢が低めな本ほどたくさん出てきます。こういうフレーズにバンバン触れていくと(当たり前ですが)いちいちそれを日本語に直さずに理解していくようになります。

多読で何十万語と読んでる生徒に、これ、どういう意味かわかる?と聞くと「なんか〇〇みたいな感じ?」というような返事が返ってくることが多くなるのですが、これがほぼ当たってるわけです。小学生ぐらいの帰国子女にこれってどう言う意味って聞くと、的確な日本語の辞書的な意味ではなく「〇〇な感じ」とか「〇〇みたいな」と言うのとよく似てるわけです。何万語も読む中で、何度も何度も半ば無意識ながらこういうことを繰り返していると、自然と文脈でおおよその単語の意味を類推する力がついてきます。

これ、親御さんの世代でも塾とかで言われませんでした?「知らない単語は文脈から類推せよ」みたいな。で、いやいやそんなこと本番の試験時間中にやっとったらタイムアウトなるわ!みたいな反論から単語帳がバシバシ売れるわけなんですが、実はあの「文脈から類推」というのはこのレベルの絵本をガンガン読んでる子が知らず知らずのうちに身につける力であって、あくまでもそれは結果論としてそういう力がつくわけで、人工的に受験参考書で身につけようとすることがそもそも間違っているわけです。
 
こういう英語学習なら始めるのは早ければ早いほうがいいって思いません??(^^)

むちゃくちゃオーガニックな学習法だと思いますよー
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